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きのこと皮膚病

きのこと皮膚病

9月に入り、マツタケが出回りはじめました。家の近所の国道沿いでは、毎年この時期になると地物のきのこを売る「季節限定きのこ販売所」が開店します。昨日、さっそくお店に寄ってきました。マツタケとなめこのみでした。「今年はどうかな?」と聞いたら、「夏が暑かったから床が心配だ」と言ってました。私、雑きのこが大好きです。ただ自分で取って食べられるのは「いぐち系」のみです。他のきのこは自分が信用できないので取りません、食べません。季節限定きのこ販売所の片隅に置かれた見たことのないようなきのこばかりを買ってきて食べています。今回は季節の話題・・・きのこによって起こる皮膚病です。

日本の論文を検索する最も大型のサイトが「医中誌WEB」(有料)です。ここで、きのこと皮膚で検索してみました。1983年から2007年までで、以下のようなきのこがヒットしました。

ドクササコ摂取による肢端紅痛症:手の平、足の裏、陰茎などが焼けるように熱く、痛くなり、これが1ヶ月も続きます。ヤケドキン(火傷菌)と呼ばれていたようです(Wikipediaより)。この痛みは、アスピリンやモルヒネでも止められないそうです(同参照)。

ドクササコhttp://www.pref.ishikawa.jp/ringyo/kinoko/data/dokusasago.htmは、近所の山に良く出ています。逆円錐型で、薄茶でなんだか食べられそうな形と色をしています。

マツタケによるアナフィラキシー:10例ほど報告されていました。1例を紹介します。マツタケご飯摂取20分後より咳、顔面浮腫が出現、1時間後には全身の蕁麻疹、意識低下を伴うアナフィラキシーに進展し・・・・恐ろしいです。でも、マツタケを出されたら絶対食べます。他にこのようなアナフィラキシーを起こしたきのことして、マイタケ,エノキ,シメジ,マッシュルームなどがあります。あたりまえのことですが、ほとんどの人はきのこを食べても問題ありません。あくまでもアレルギーですから個人の問題です。

シイタケ皮膚炎:変な病名でしょ。背中一面が痒くなって、線状の引っかき傷をたくさんつけて患者さんは外来に来ます。まるでムチで打たれてたような傷です。とにかく痒い。皮膚科医が皮膚の症状から食べた物と食べた状況を当てることのできる皮膚疾患です。
「昨日、バーベキュウーしたでしょ?しいたけひっくり返して傘の中にお醤油たらして焼いたでしょ?生焼けぐらいがジューシーでおいしいんだよね。ジューシーだったでしょ?お酒も一緒に飲んだわね?」・・・だんだんいやらしくなってきたのでやめます。しいたけに含まれるアルカロイドの一種が原因です。生で食べると起きます。煮物ではなりません。アルコールを飲むとさらに成分が出やすくなります。乾燥しいたけのもどし汁を飲んでもなります(昔、TVで健康のためと称して紹介されたことがあるようです)。乾燥アガリクスを漬け込んだ焼酎を飲んでなった症例も報告されていました。

アガリクスによる口唇炎

カエンタケhttp://park18.wakwak.com/~fungiman/urayama/kaentk.htm.ベニナギナタタケhttp://www.pref.ishikawa.jp/ringyo/kinoko/data/beninaginatatake.htmと誤ってカエンタケを食べ,約2時間後から激しい嘔吐,下痢が出現した.心房細動,脱水およびショック状態。皮膚症状として,発赤,口唇浮腫,口腔粘膜びらんと頭髪の激しい脱毛が出現。・・・恐ろしいきのこです。だいたい、ベニナギナタタケだって、食欲をそそるような形と色ではありません(個人的には)。おいしいのでしょうか?

私の住んでいる地域では、秋に大型スーパーの催し物広場できのこの展示と鑑定会が開かれます。ボランテイアで指導に当たっているきのこ好きの方々のお話が結構面白い。「あー、このきのこは強い毒はないけれども軽い下痢と腹痛が来ますね。去年(隣にいる方を指して)、彼が当たりました」。結構新しいきのこにチャレンジしている雰囲気が感じられます。形態学で品種を分類していく作業は、皮膚科とも似ています。しかし、きのこの鑑定は、私の専門より命にかかわるリスクが極めて高い分野であることは確かです。
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2007年09月10日 トラックバック(0) コメント(0)












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