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30歳以後、両頬(ほほ)の茶色いしみが広がってきた

30歳以後、両頬(ほほ)の茶色いしみが広がってきた

30歳を過ぎたあたりから、両頬(ほっぺた)にしみが出て、だんだん目立つようになってきた。

考える病名は2つ・・・肝斑(かんぱん)と後天性両側性太田母斑様色素斑(こうてんせいりょうそくせいおおたばはんようしきそはん・・・長い!)・・・治療法が全く違います。見分け方は?

いつもながら言い切り型ですが、まず言い訳を・・・30歳以後両頬というところがミソです。片方だけであったり、子供のころからあったりする場合は、該当する他にもたくさんあります。

肝斑(かんぱん)

妊娠や経口避妊薬の使用をきっかけに始まる両頬のしみです。べたーと均一な茶色のしみで、眉毛の上や口のまわりにもできることがあります。

特徴まぶたにはできません。まぶたやおでこの両端にもしみがあれば肝斑よりは後天性両側性太田母斑様色素斑(こうてんせいりょうそくせいおおたばはんようしきそはん)を考えます。

治療:ハイドロキノン含有の軟膏(レーザーは利かない)

悪化させるもの:紫外線

後天性両側性太田母斑様色素斑(こうてんせいりょうそくせいおおたばはんようしきそはん)

特に原因なく、おでこの両端、まぶた、鼻の頭、頬に対称に出てくる、点状や網目状のしみで、単純な茶色ではなく、青や紫の色調を含んだしみです。

特徴:青っぽい色合いがあり、まぶたやおでこの両端にもしみがあり、色もムラがあり点々としている場合は肝斑より、こっちを疑います。

治療:Qスイッチ・ルビーレーザーが良く効きます。帝京大学皮膚科の渡辺晋一先生は、この後天性両側性太田母斑様色素斑については、Qスイッチ・ルビーレーザー以外の治療はすべきではない、と言い切っておられます(この記事も渡辺先生の多くの著作からの引用です)。

青くみえるのは青い色があるのではありません。メラニンは皮膚の存在部位によって色調が変化します。表皮(0.1-0.3mm程度)内にメラニンが少しあれば茶色、多くあれば黒、真皮(表皮の下)の浅いところにあれば灰色がかった青、真皮の中~下層(1-5mm程度)ところにメラニンがあると青に見えます。刺青の巣彫りの線が青く見えるのは墨を少し深いところ(真皮内)に入れるからです(表皮にいれても表皮はそのうち垢になって落ちてしまいますので)。
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2007年08月24日 トラックバック(0) コメント(0)












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