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帯状疱疹は人にうつるか?

今日は当地でローカルな研究会がありました。そこで帯状疱疹になった方の家族が水疱瘡になる率を調べた報告がありました。開業している新澤みどり先生からの報告です。忙しい日常診療の中で、長い期間かけてこのようなデータを出す姿勢に頭が下がります。患者さんからの素朴な質問に対してきちんと答えるためにいろいろ調べてもきちんとしたデータが見つかることは意外と少ないのです。

例えば、

帯状疱疹になった患者さんに、
「家族にはうつらないでしょうか?」
「孫の初節句の席に呼ばれているのですが、行ってもいいでしょうか?」
「孫と一緒に風呂に入ってもいいでしょうか?」
「娘が妊娠中なのですが大丈夫でしょうか?」

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新澤先生のデータでは、帯状疱疹で受診された患者さんのうち、家族に水痘にかかったことのない方がいる率は20%程度、そのうち水痘になった(つまり感染した)方が10%いたそうです。家族構成には地域差がありますから、家族に水痘になった方がいる率は、乳幼児との同居率などに影響を受けます。田舎ほど同居率は高いと予想されます。でも、「家族に水痘(みずぼうそう)になったことがない人がいる」場合のみに注目すれば、そのうちの1割がうつるというデータは非常にインパクトがあります。

帯状疱疹からウイルスが感染して水痘になったのは、当然のように乳幼児などの子供が多いこと、祖父母からだけではなく、帯状疱疹になった父母からもうつる場合があること、帯状疱疹を発症してから家人に水痘が発症するまで数日から1週間と短いこと(普通水痘帯状疱疹ウイルスの感染から発症までは10日から2週間かかります)、特段重症化しないこと(通常水痘になった家族からうつった場合は曝露されるウイルス量が多いため(緊密な関係にあるため)重症化します)、が特徴です。つまり、帯状疱疹から感染して水痘を発症する場合は、帯状疱疹になった方が皮疹を発症する前にすでにウイルスに感染しているらしいということです。

まとめます。

帯状疱疹になった方が家族への感染を心配している場合は、次のような対応が必要かもしれません(個人的な感想です。公的な意見ではありません。問題がおきても責任は取りません。すいません。言い訳が多くて。)

1)家族や近所に住んでいるなどよく接触する環境にある方で水痘になったことがない(ワクチンも打っていない)方がいるか聞く。

2)そのような方の中で10%程度は水痘になる可能性がある。

3)水痘が発症する場合は数日から1週間で皮疹が出てくる可能性が高い。

ということで、質問にもどります。

「家族にはうつらないでしょうか?」

・・・水疱瘡になったことのない子供がいれば10%程度の確率でうつる可能性があります。

「孫の初節句の席に呼ばれているのですが、行ってもいいでしょうか?」

・・・この1-2週間接触していないのなら行かない方がいいでしょう。この1週間に会ったことがあるなら、もう感染しているかもしれません。多くの人が集まる場で、別の乳幼児が来るようであれば行かない方がよいでしょう。

「孫と一緒に風呂に入ってもいいでしょうか?」

・・・同居なら、すでに感染している可能性があります。水痘帯状ウイルスは空気感染します(ウイルスは普通にただよっている。空気感染は感染力としては最大のものであり、患者さんの隔離には陰圧の病室が必要です。感染対策としてはエボラなみの対策が必要ですが、陰圧の隔離病室をもっている病院はまれですし、水痘患者を入れることも稀です。)。できれば近寄らないほうがいいと思います。

「娘が妊娠中なのですが大丈夫でしょうか?」

一緒に暮らしていたり、しょっちゅう会っていて、かつ娘さんが水痘になったことがなければすでに感染している可能性を否定できません。特に出産間近の場合は産科の先生に相談してください(病院に行かずに電話などで相談できればベストです)。

帯状疱疹と診断されてたとき、周りに水痘になったことがない方(子供)がいた場合、どうしたらよいのでしょうか?

帯状疱疹と診断されてたとき、周りに水痘になったことがない方(子供)がいた場合、うつらないように接触を避けることはある程度必要かもしれませんが、接触機会が多い(同居など)場合はすでに感染している可能性が10%程度あると考えた方がよいかもしれません。したがって、すでに感染していると考えて対応したほうが良いと個人的には思います。皮膚科や小児科の先生に前もって相談しておき。帯状疱疹と診断されてから、数日以内に熱が出たり、体調が悪くなった家人がいる場合は赤いポツポツが出ていないか(特に髪の毛の中や口の中)見て、早めに抗ウイルス剤を処方してもらうなどの対策が望ましいかもしれません。ただ家人の水痘からの感染に比べて帯状疱疹から感染した水痘は重症化しないようですので必ずしも抗ウイルス剤が必要ということではありません。持病のある方や妊婦さんは注意が必要だと思います。

結論
乳幼児期になるべく水痘ワクチンを打ちましょう。子供を希望する場合は、とくに結婚したときに風疹や水痘の抗体の有無を見て、抗体がなければワクチン(水痘になった記憶があいまいな場合を含め)を打っておきましょう。感染症はどこでうつるかわかりません。おじいちゃんから妊婦さんあるいは孫にウイルスがうつった場合、おじいちゃんの責任ではありません。厳しい言い方かもしれませんが感染に対して準備していなかった方に大きな責任があると思います。繰り返しますが水痘帯状疱疹ウイルスの感染力は非常に強いのです。
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2013年03月24日 トラックバック(0) コメント(0)












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