光アレルギーでしょうか?
今日は春分です。暖かくなりましたが、風が強くて花粉がばんばん飛んでいてつらいです。
さて、これから顔や腕に皮疹ができて来院する方が増えてきます。スポーツや農作業などの屋外での活動が増えてくるからでしょうか。たとえば屋外での作業の後、顔や腕に赤いぶつぶつがたくさんできてきた。去年も同じころに同じ症状が出たからきっと光アレルギー(紫外線アレルギー、光線アレルギー、太陽光アレルギー)じゃないだろうかなどと考えます。でも、この時期は植物などによる単純なかぶれもよく起きます。
今回は単純なかぶれと光アレルギーを区別するポイントについて
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光アレルギー:両腕にかゆいブツブツができてきた。
外で仕事
患者さんにフキノトウをいただいたので蕗味噌に
最後の生ハム 表面にびっしりと白カビが生えました。
私たちが浴びる光の種類は、波長の短い方から紫外線、可視光線(紫、青、緑、黄、オレンジ、赤)、そして赤外線です。アレルギーを起こすことが多いのは紫外線で、ときどき可視光線です。ですから「光アレルギー」というのが一番大きなくくりになると思います。「光過敏(ひかりかびん)」という呼び方もありますが、光に過敏ということですから、アレルギーの他に、生まれつき紫外線に感受性が高い(紫外線の毒性に耐えられない)方も含まれます。つまりアレルギーでない場合も含まれるわけです。
光アレルギーを大きく分けると、
光のアレルギーには光単独で起きる場合と、光+何らかの物質の共同作業で起きる場合とがあります。後者の例は、たとえば高血圧の薬+光、湿布薬+光、クロレラ+光、といった組み合わせで皮膚症状が起きます。湿布の場合は張った部分にのみ症状がでます(四角く赤くなります)。
今回の本題、普通のかぶれと光アレルギーの見分け方は、
いきなり言い訳ですいませんが、どちらも露出していた肌に皮膚症状がでますから、難しいことも多いのです。
でも、いくつかポイントあると思います。
まず、光は均等に体に降りかかりますから、男性であれば、顔、耳の上側、首の前、うなじ、両方の腕から手の甲に左右対称に皮疹がでます。ベターと赤くなることも、ブツブツと出ることもあります。ひどい場合は水ぶくれを伴ったりします。
女性は化粧をしているので顔にでにくかったり、髪の毛により耳やうなじに皮疹がないことがあります。でも首の前と手の甲には出るはずです。また、光単独でおきるアレルギーは光線の量が増える春先が多いのですが、徐々に慣れて夏ごろには治ってしまう方がいます。光に慣れていくことがあるんです。顔は冬の間も光にさらされているためにある程度光に慣れているため、腕よりも症状が軽いか、あまり出ないこともあります。
かぶれは触ったところに皮疹が出ますから、左右差があったり、植物などが原因の場合は線のような皮疹になったりします。つまり分布にかたよりや人工的な形があればかぶれの可能性が強くなります。ただし(言い訳が多くてすいません)、右腕が左より症状が強い場合があります。運転手の方が右ハンドルの車を運転している場合です。
また、セロリの汁による光アレルギーはセロリの汁が着いたところに光があたると皮疹ができますので、かぶれと区別がつきにくくなります。モーラスなどの湿布部に起きる光関連の皮膚炎のが有名です。光接触アレルギーといいます。
「毎年春になると顔がかゆくなるのですが、光アレルギーでしょうか?」の質問に対しては、
「首の前と手の甲か腕に皮疹はでますか?」と聞きます。ここに皮疹がないと光単独のアレルギーは考えにくくなります。光は均等に降りそそいでいるので、皮疹が顔に出て、首や腕に出ないということを説明します(が、納得してくれない方もいます。光が関係していなくても、この時期はかぶれの原因がたくさんあります。花粉症による皮膚症状はまぶた周囲に出ます。困っているかたは専門に相談してみてください。
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2013年11月13日 編集