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しわに沿って出る皮膚疾患

ある日突然丸い赤いできものがお腹や背中、上腕に1個できた。
1週間ほどしたら胸やお腹や背中や太ももにに最初にできたものより小さいのがたくさんできてきた。
心配になっていくつかのお医者さんでみてもらったけど、ちっとも治らない。
薬をぬっても効かない。少しかゆいけど、あんまり気にならない。でも体じゅうに出ていて心配。
顔や腕、脚の先の方にはできていないんだけど。

皮膚症状が出てから1ヶ月目ぐらいで受診される方が多いようです。小学生ぐらいから30歳ぐらいまでの若い人。

ジベルばら色粃糠疹(じべるばらいろひこうしん)かもしれません。

yomogi
春です。柔らかいヨモギがたくさん。つみます。

yomogi surikogi
美しい緑

yomogimoti
ダンゴになりました。

yaki-dango
炭火で焼き団子に

皮膚の表面はいろいろな線が走っていて、それによって区域に分けることができます。

1:神経:背骨の両側から体の前に向かって感覚を感じる神経が伸びています。背骨は臼のような骨がつながってできていますが、1つの臼のような骨ごとに1本の神経が出て、数cm-10cm程度の幅の範囲の皮膚表面からの感覚を脳に伝えます。背骨の神経の元にはミズボウソウのウイルスが潜んでいますので、これが神経を伝わっておりてきて皮膚や神経を痛める病気が帯状疱疹です。

2.リンパ管:体の隅から集めたリンパ液を体の中心に運びます。ヨウ連菌などのバイキンの感染や虫刺されなどからスジのように赤みが拡がることかあります。リンパ管炎です。癌細胞が転移をするときに使う道でもあります。

3.皮膚のシワ:前回の記事で書いた、皮膚の緊張の方向です。

4.Blashko線(ぶらしゅこせん):受精卵は分割を繰り返していろいろな臓器を作っていきます。皮膚を形作る部分も、将来皮膚になる受精卵の何分割分かの一部がさらに分割して皮膚になっていきます。ですから皮膚の表面も、ちょっと前までは一緒だったいくつかの領域に分けられます。これが関係するものに、生まれつきのあざや赤ちゃんのときにおきるいくつかの皮膚疾患があります。シマウマの模様のようにでます。受精卵の分割の最後の方に遺伝子異常がおきると皮膚のごく限られた領域にのみ異常がおきるということです。また、生まれてすぐに体に小さな膿をもった皮疹ができて、自然に治り、その後、縞状にイボができ、それも治ったあとに縞状のシミが残る病気があります(シミもそのうち消えていきます)。色素失調症(しきそしっちょうしょう)という病気です。こういう病気をみると、一見みんな同じに見える皮膚も、ある領域ごとに少しずつ違っていることがわかります。これをモザイクといいます。

導入部分から話が大きくそれました。

ジベルばら色粃糠疹は、皮膚のシワ(割線:かっせん)にそって並びます。特に背中が特徴的で、背骨の中央から両側に流れるように並びます。クリスマスツリーのようにみえます。1個1個の皮疹は楕円形でその真中に膜状のカサカサがレースのようにくっついています。かさかさが目立たないのは◎にみえるものもあります。

原因はたぶん何かの感染に対するアレルギーだと私は思います。いくつかの候補はあがっていますが、まだ真犯人はみつかっていません。真犯人は1人ではないのかもしれません。

さて、この病気は一生懸命薬を塗っても治りません。でも3-8週間たてば自然に消えます。内臓などに病気が隠れていることもありません。出始めに少しだるかったり、風邪ぽい症状があったり、治るまで3-4ヶ月かかった方もいました。良く説明すると安心して帰っていきます。念のため2-3週ごとに再診してもらいますが、この20年で消えなかった方はいません。かゆみが強くて困る場合を除いて、薬もぬりません。

似ていて問題になる病気は、梅毒です。手の平、足の裏にも丸い皮疹がある人は検査が必要です。ジベルばら色粃糠疹は手の平、足の裏には皮疹はありません。他に皮膚のしわに沿ってならぶ病気に、エイズにおきるカポジ肉腫(多発したとき)という病気があります(私は多発したものをみたことがありません)。赤黒い表面がツルツルした2-3cmのシミやシコリです。ジベルばら色粃糠疹とは見た目で全く違いますので心配はいりません。ただ並び方が似ているというだけのことです。
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2010年03月21日 トラックバック(0) コメント(0)












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