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働きすぎの免疫反応

週末に職場の自分の机の上に紙袋が置いてありました。中身は新型インフルエンザのワクチンでした。昨年から年齢順に若い先生から打ってきたワクチンの順番がやっとまわってきたようです。

さて、新型インフルエンザに関連して、スペイン風邪(インフルエンザ)が引き合いに出されることがよくあります。スペイン風邪で多くの方がなくなった理由について一昨年興味ある報告がなされました。ウイルス自体によって死亡したわけではなく、ウイルスを退治しようとして働いた自分の免疫が働きすぎて肺の組織を壊してしまったという説です。

今回は行き過ぎた免疫反応によっておきる問題について。

ふきのとう
やっと見つけたふきのとう 今朝の寒気に少しやられています。
この寒さの中で葉が青々としているのは、ホウレンソウ、野沢菜、イチゴ、そして意外なことにルッコラ

免疫をサッカーやアメリカンフットボールにたとえると(かなり乱暴ですが)、選手は白血球などの細胞、ボールは他の選手への命令といった感じになります(これらのスポーツと免疫が違うのは免疫ではボールにたくさんの種類があって、試合でも一度にたくさんのボールを使うという点です。免疫反応で細胞間で行われる指令の本体はたんぱく質です。こういう働きをする物質をサイトカインといいます。サイトカインで有名なのはインターフェロンやインターロイキンなどで、聞いたことがあるかもしれません。世界で初めて発見されたサイトカインはインターフェロンでウイルス感染にともなって出現してくる物質として見つかりました。発見したのは日本人の研究者です。インターフェロンは肝炎や腎癌やメラノーマの治療に使われています。メラノーマの患者さんにインターフェロンを打つとみんなに出るわけではありませんが、高熱とふるえが出て、関節が痛くなります。インフルエンザに似た症状です。インフルエンザのときの症状がウイルス自体ではなく、免疫、サイトカインによって起きていることが実感されます。

横道にそれました。話をもどします。ウイルス感染から治癒までの普通の流れは以下です。

ウイルスが体に入る・・・免疫の攻撃が始まる(アメリカンフットボールでは30年以上前の日大のショットガンフォーメーションが思い出されます。パスを受ける選手がいっせいに走り出す様子がショットガンに似ていたため、こんな名前がつきました。個人的に好きな攻撃でした。最近はあまり見ることがありませんが。)・・・免疫による攻撃は炎症という現象を起こします。熱が出たり、皮膚が赤くなったり、関節が痛んだり、鼻水が出たり、といった症状の多くは免疫による炎症反応です。ウイルス退治には母屋の火事が必要になります・・・そしてウイルスが退治され、・・・免疫の攻撃が終わる(火事も消える)・・・病気が治る。

普通はこんな感じで感染症の多くは治ります。

しかし、この免疫反応が行き過ぎてしまったらどうなるのか?サイトカインが大量に作られ、すさまじい炎症の嵐(大火事)が起きます。サイトカイン・ストームと呼びます。ウイルス自体による問題は本当はあまりたいしたことはないのに、それに反応した免疫が闇雲に嵐を起こし続け、正常な組織を焼き尽くしてしまいます。

アメリカ軍によるイラク侵攻のようなものです(たとえ話が多くてすいません)。フセイン(スペイン風邪ウイルス)がほえ続けたのもいけなかったのでしょうが、それを真に受けて国の体制をめちゃめちゃにしてしまった軍(免疫)にも問題があったのでしょう。行き過ぎた免疫を抑えるには免疫を抑える薬である、副腎皮質ホルモン剤(通称 ステロイド剤)を使います。イラク問題の特効薬はわかりません。

行き過ぎた(働きすぎの余分な)免疫反応はスペイン風邪にかかわらずいろいろな感染症で起きます。昔は感染症にステロイドを使うなんてもってのほかでしたが(免疫がおさえられて感染が拡大する危険性がある)、最近は重い感染症などで使うことが多くなりました(まだ、意見の一致が完全にえられていない領域ですが)。
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2010年01月17日 トラックバック(0) コメント(2)

ども
AZM氏のブログを毎回楽しみに見ています。子どものころ、父に冬山の美しさについて散々聞かされ、大学で1年だけ山に入りました。本当にきれいでした。今回のAZM氏の冬山紀行、うらやましく読みました。今年もよろしくお願いします。寒さが続きますが風邪を召さぬように。せば(秋田の知人がいつもメールの最後につけてくるのでまねしてみました)。

2010年01月26日 ビーアンビシャスボーイズ  URL 編集

ども!
今年もよろしくお願いします。
免疫系の話は面白いですね。興味深いです。
免疫系による過剰な攻撃が過度な炎症を誘発するんですね。

2010年01月24日 azm URL 編集












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