UCLA-4 カリフォルニアの青い空
3日ほど雨が続いていました。今日は久しぶりに快晴。気温も上がりました。今朝は早起きして、サンタモニカのジョン・ウェイン癌研究所とその向かいのセント・ジョーンズ病院へ。薄暗い中を7時ちょっと前の路線バスに乗りました。通勤、通学でいろいろな人が乗り降りします。バックを背負った小さな小学生が大人にまじって乗り込んできた時は、自分の子供が小さかった頃を思い出してしまいました。
今日は8時からの皮膚腫瘍カンファレンスから・・・
UCLA構内
検討会終了後にこの会に連れて行ってくれた先生が知り合いの外科医に私を紹介してくれました。そしたら今日の午後2時から手術があるので入ってもいいということになりました。計画していた予定をすべて変更して手術室に入ることになりました。
手術室の受け付けでロッカーの番号と2桁の数がハイフンで連なった6個の数字の書いた紙をもらいました。鍵の番号でしょうか。着替え室に入るとロッカーがたくさん並んでいるのは私の病院のオペ室と同じです。でも鍵はよく金庫についている回転式のあの鍵です(すごく昔、日本でもどっかの病院でみたことが・・・)。かなり擦り切れています。右に回し、左に回し、右に回す。開きません。反対にやっても開きません。困って、となりの休憩室をのぞいたら、オペが終わってくつろいでいる先生がいました(日本と同じです)。開け方を教えてくださいとお願いすると、「あの鍵は、自分にとってもストレスなんだ」と言って、何度かやってくれましたが開きません。3回目の数字がずれていることに気づいて、それを言うと、ついに開きました。彼は私に向かってにっこりして「2人の共同作業で大きな仕事を成し遂げることができた」と言って強く手を握りました。なんか充実した感じもありましたが、手術室に入る前にかなり疲れてしまいました。
気を取り戻して、再び受付に行くと、1時間半遅れているとのこと。よくあることです。あのロッカーを開け閉めするのが怖いので、術着のまま道を渡ってジョン・ウェインがんセンターで待機。なんだか職員になった気分です。
時間が来て入室。先に放射線検査時に挨拶した患者さんと再会。日本に住んでいたことがあるそうで、いろいろなことを話してくれました。看護師、麻酔科医、外科医が来たので、手術室で自己紹介。麻酔科医に日本の皮膚科医だと言うと、ちょっとけげんな顔。招待してくれた外科の先生が、日本とドイツの皮膚科医は手術も化学療法も全部やるんだと説明してくれました。うれしかったです。
外科医はたった1人、手洗いした(手術をする医師と同様の清潔なガウンと手袋をした)看護師1人。そのほかの看護師2人。手洗いした看護師が前立ち(術者の前に立ち、補助をする人)と機械だし(メス!!と術者が言うと、スパッと器具を渡すこと・・・と映画ではこんなですが、私は気が弱いので、メスください・・・といいます)をします。良く訓練されていて、よどみありません。結構きれいな方でした(すいません)。まずセンチネルリンパ節を2個切除し、次に足のメラノーマを切除。若い先生でしたが、手術も早く、そしていろいろ丁寧に説明してくれました。日本でやっている方法と大きな違いはありませんでしたが、センチネルリンパ節に関する術中の記載用紙があって、定型的に細かく記載されていました。用紙をもらってきたので、帰ったら日本用に作り変えたいと思います。
手術が終わり、この患者さんの入院期間について聞いてみました。昼から放射線検査、午後4時から全身麻酔で5時50分ごろに手術が終了した患者さんです。普通は入院せずにその日に帰るんだそうです(この患者さんは事情があって1泊するそうです)。全身麻酔日帰り手術ということですね。短いとは聞いていましたが、本当なんですね。ちなみに根治的リンパ節郭情(こんちてきりんぱせつかくせい:転移のあるリンパ節があったので、それを含めて広く他のリンパ節を含んだ脂肪をごっそりとること)でも、入院は3日とのことでした。
手術室に入った日は、やはり、精神衛生状、疲れ方が心地よいような気がします。
途中のスーパーでカリフォルニアワインを買って帰ホテル。なんと1本2ドル弱からあります。2ドルはさすがに?ですが、4ドル前後は十分おいしい。
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