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唇が腫れた!

今回はある日突然口唇(こうしん、くちびる)が腫れた場合に考える病気についてです。

まず、かゆくて表面がただれている場合は、かぶれなどがありますので、以前に書いたこちらの記事へどうぞ。リップクリーム、歯磨き粉、舌でなめている、濡らしたガーゼをしょっちゅう当てている、鼻つまっている。 そしてマンゴ食べませんでした?

・・・・「唇の荒れがなおらない」

体にもかゆい発疹がでていて、これが1日の間に出たり引っ込んだりを繰り返しているばあいは「じんましん」です。こちらの記事へどうぞ。
じんましんはどのくらい続くのか?」
「皮膚に字が書ける!!」
「じんましん:家族全員同じものを食べたのに、なぜ私だけ?」

あきらかに虫に刺された記憶もないのに腫れていたり、かゆくなかったり、それが何日も続いていたりする場合は次のような病気を考える必要があります。

ルッコラ
ルッコラの花

1.血圧の薬を飲んでませんか? アンギオテンシンコンバーティングエンザイム阻害剤(ACE阻害薬、エーシーイーそがいやく)というお薬やアンギオテンシン2-レセプター-ブロッカー(ARB、エーアールビー)で唇がパンパンに腫れることがあります。数年以上飲んでいてなる方も報告されています。薬を変えればすれば治ります。

2.クインケ浮腫(くいんけふしゅ)・・・血管神経性浮腫(けっかんしんけいせいふしゅ): 突然くちびるやまぶたが腫れたりします。息が苦しくなることもあります(1の血圧の薬でも同じことが起きます)。じんましんの一種ですが、治療が難しいばあいがあります。めずらしいですが家族性におきることがあります(日本では11家系)。C3,C4(補体)を調べればわかります。

3.肉芽腫性口唇炎(にくげしゅせいこうしんえん、メルケルソン(メルカーソン)ローゼンタール症候群):特に下唇が硬く腫れている(最初は柔らかかったが、だんだん硬くなってきた。左右同じではなくどちらかにかたよる場合もある)。唇の横のほっぺたの粘膜も厚くなって、物を食べたときに咬んでしまうこともある。唇の深いところに組織球という細胞が増えています(癌ではありません)。皮膚生検と金属アレルギー(歯科金属)の検査と歯の根っこに感染がないか写真を撮って調べてもらいます。下痢がある場合はクローン病という腸の病気も疑う必要があるかもしれません。
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2009年09月13日 トラックバック(0) コメント(2)

文献で調べると、クローン病と肉芽腫性口唇炎の両方で苦しんでいる方がいるようです。場所は異なってもかなり似た症状であり、関連があるのではないかという意見があります。クローン病の治療はうまくいっているのでしょうか?申しあけありませんが、メールだけではきちんとした回答は困難です。主治医とよく相談してください。

2011年07月30日 うはら皮膚科 URL 編集

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2011年07月27日 編集












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