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股の付け根のかゆい皮膚病 輪のようになっている

股の付け根から太ももの内側にかけてかゆい皮膚炎ができた。辺縁(ふち)が少し堤防のように盛り上がる、あるいは、プツプツが輪のように並び、カサカサしている。または、正常の皮膚との境のところの赤みが強く、内側は薄茶色になっていて、輪のようにみえる。 今回は、股の白癬(はくせん、水虫、みずむし)、インキンタムシ(について。

関連記事:
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手足の皮がむける1
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インキンタムシと似ている皮膚の癌(記事名は、皮膚がんと時限爆弾)
キノコと皮膚病
tenngutake

インキンもタムシもミズムシも白癬菌という真菌(かび)によって起こされる病気です。部位によって、色々な名前で呼ばれているだけです(ただし、部位によって見た目の症状も変わりますが)。陰部(お尻や股など)に症状が起こると輪のように外へ外へと広がっていきます。菌は一番外側の症状の強いところにいます。内側にはあまり見つかりません。英語ではring worm。直訳で「輪虫」でしょうか。

個人的な印象ですが、10歳代~20歳代の患者さんはあまりみません。患者さんのほとんどは中高年の男性で、ほぼ必ず足の爪に白癬があります。若い患者さんが少ない理由はわかりません。昔より今の若い方のほうが清潔なのかもしれませんし、自宅で売薬などで治療しているのかもしれません。

ただ、レスリングや柔道などの格闘技の選手間で感染し、多くの部員に広がってしまう新しいタイプの白癬がここ数年話題になっています。トンズランスという菌で起きます。コイン大の小型の赤い皮疹として始まり(輪になることも多い)、最初は通常の湿疹やかぶれと間違えやすい病気です。格闘技部の指導者は良く知っていて、診断をつけて病院に来る方も多いです。飲み薬での治療が必要です。

なぜ、白癬症は輪のようになるのか?
白癬に取り付かれた皮膚では免疫学的に菌と戦う反応が起きるので、外へ外へと逃げていくという説があります(古賀哲也先生の論文)。正常との境界部分に菌がたくさんいて、内側には少ないということは、やはり内側は菌が住みにくい環境になっているということでしょうか。

さて、同じ真菌(カビ)に属する私の好物がキノコです。ある種のキノコも輪のように生える(菌輪、菌環)ことがあります。欧米では芝生に環のようにきのこが生えている状態を"fairy ring"、"fairy circle"、"elf circle"、"pixie ring" など「妖精の輪」と表現されるそうです(Wikipedia)。
山でキノコを見つけたら、輪のように生えていることがあるから良く周りを見回せ・・・などとよく言われます。

このキノコの環ができる理由についてはいろいろ言われているようですが、原因について詳しくまとめられた論文はネット上では見つかりませんでした。家のネット環境での検索ですので、google scholarなどの無料検索システムしか使えないということも影響しているかもしれません。

Wikipediaでは(あまり使いたくないのですが、今回は信じることにします)、2つの説があると記載されています。1つは、中心から放射状に菌糸(きんし)が伸びて輪ができるのだという説。もうひとつはマツタケの研究から得られた説(読んでも私にはよく理解できませんでした)。google scholarで「菌環」で検索したところ、1967年の石川達芳先生の論文がヒットしました。

要約しか読めませんでしたが、私の理解が間違っていなければ、菌環の内側は外側と比べて水分量が少なく、菌環の内側の松の根には新鮮な細根がなかった。マツタケは新鮮な細根を求めて外へ外へと向かうのではないか・・・という仮説です。木の根に寄生する菌によるキノコの輪と、芝生にできるキノコの輪とは、別々に考えないといけないかもしれません。インキンタムシに起きている現象をキノコの輪に当てはめるのは非常に乱暴だと思いますが、住みやすい環境を求めて外へ外へと動くことがキノコの菌輪の原因の1つにである可能性はありうるかもしれません。

インキンと妖精の輪を比べてはいけませんねぇ。特にキノコを食べている時の話題としては?でしょうか。さて、全く関係ないことですが、粘菌(ネンキン)が食べ物を求めて迷路を最短で移動するということを明らかにした北大の中垣先生達がイグノーベル賞を受賞されました。まさか、白癬やキノコの菌にこういう能力はないでしょうね。
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2008年11月02日 トラックバック(0) コメント(3)

AZM様、コメントありがとうございます。白癬菌はアカ(角層内)にしかいれません。表皮(普通は皮膚の表面から0.1mm程度)より深く入ることはできません。もし、真皮(表皮の下、0.5mm程度の深さ)に入るようなことがあれば、ものすごい反応が起きて駆逐されます。したがって、インキンタムシで全身が分解されることはありません。皮膚の表面を這うだけです。ただ、毛が生えているところは毛に沿って深く(といっても数mm程度)入ることがあります。この場合も激しい反応が起きます。決して血液に入ったり、内臓に感染することはありません。ステロイド外用剤を間違って使ったり、糖尿病があったり、免疫が弱っていなければ、大きな問題はおきません。

さて、もし輪のように全身に広がっていっても治療しなかったらどうなるのでしょうか?最後は拡大する場所がなくなって自然に治る・・なんてことはありうるのでしょうか?

輪のように全身に広がる・・かなり気持ち悪い話になってしまいました。これでやめます。

2008年11月14日 うはら皮膚科 URL 編集

うはら皮膚科様、今晩は。
ワタクシ学生時代に寮生活をしており、そのためか一時「ring worm」の培地になったことがあります。しっかり皮膚科に行って治しましたが(^^;。確かにringができておりましたよ。
ワタクシも菌類としては「ring worm」よりキノコが大好物です。植物(生産者)動物(捕食者)、に加え、生物界の一つの柱である菌類(分解者)、恐るべし。ワタクシも「ring worm」に分解されつつあったのでしょうか。

2008年11月11日 azm URL 編集

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2008年11月02日 編集












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