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病歴からわかる皮膚疾患

病歴だけである程度診断できる皮膚病があります。でも先入観により誤診しないよう診察はします。例えば以下です。

病歴のみから疑える皮膚疾患・・・あくまでも「疑い」です。

・夜中に全身に非常にかゆい皮疹が出た。翌朝は消えかかっていたが、夕方からまた出た(蕁麻疹)
・以前からしこりがあったが、1週間前より赤くなって痛くなってきた(化膿性粉瘤)
・1年前から顔に赤い皮疹ができてほてる。何件か皮膚科をまわったが、薬をつけると治るが、止めるともとにもどってしまう(ステロイド外用剤による酒さ様皮膚炎)
・数日前から右胸が痛くて湿布を張っていたらかぶれた(あるいは虫に刺されたかもしれない)(帯状疱疹)
・風邪をひくと口唇に水疱ができる(単純ヘルペスか固定薬疹)
・子供の足の裏にタコができた(ウイルス性疣贅)
・熱が出て、喉が痛くて、下や唇がしみる。皮疹も出てきた(スティーブンス・ジョンソン症候群)
・何年も前から皮膚の下に1-2cm大しこりがいくつもある。押すと痛い(脂肪腫)、痛くない(多発性毛包嚢腫)

yuki2013
先週は雪が降りました
kadan2013
でも今日は満開です
hirenso2013
ホウレンソウの花

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2013年04月28日 トラックバック(0) コメント(0)

ダニと牛肉と抗がん剤

アレルギーを含め、免疫反応は物質のとても小さな部分(抗原)を認識して発動します。その小さい部分が同じなら、まったく違う物質でアレルギーが起きてしまいます(交叉といいます)。例えば桃を食べて息苦しくなった患者さん(口腔アレルギー症候群:OAS)はもともと白樺の花粉のアレルギーがあり、白樺の花粉と桃に共通の抗原成分があったために桃で症状がおきる、などです。今回はセツキシマブ(商品名アービッタクス)という大腸がんや頭頚部がんのお薬にアレルギーを示す患者さんは牛肉や豚肉にもアレルギーがあったというお話です(高橋仁ほか、臨床皮膚科67(5)、2013)。

gohho
週末は京都に呼んでいただきました。ついでにゴッホ展と壬生狂言を見てきました。
miyakowodori
京都は新緑に包まれていました。良い季節です。

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2013年04月28日 トラックバック(0) コメント(0)

サンスクリーン 日焼け止め ラベルの見方

季節ネタである日焼け止め(サンスクリーン剤)についてです。

サンスクリーン剤のラベルやウエブ上の製品説明をみるといろいろなことが書かれています。一般の方がきちんと理解できているのかちょっと不安になったのでまとめておきます。

チェックすべき順に項目を説明します。

関連記事
サンオイルって何が入っているのだろう
サンスクリーン剤2012
日焼け止めの選び方

rafaero
今週末は築地。帰る前に西洋美術館のラファエロ展に寄りました。点数が多くないとのことで、あまり期待してませんでしたがよかったです。満足しました。
seiyobijyutukan
上野公園は新緑に包まれていました。良い季節です。

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2013年04月14日 トラックバック(0) コメント(6)

指が水でふやけるのは水中の物をつかみやすくなるから?

ちょっと前に少し話題になったニュースです。水に長く入っていると指がふやけます。Newcastle大学のTom Smulders先生は、乾いた状態とふやけた状態でどちらが水中の物をつかみやすいか?という実験をやりました。皮膚がふやけていた方が物をつかみやすいという結果が得と述べています。しかし、それなら効率性からいえば手指の皮膚はいつもふやけていたほうがいいんじゃないか?ということになりますが、彼らは、いつもふやけていると知覚が低下するなどの問題が起きるので、必要なときだけふやけるのかもしれない、と説明しています。突っ込みどころ満載の報告ですが、面白い点もあります。

出展はこちらです。
論文”Water-induced finger wrinkles improve handling of wet objects”

関連記事:
指の皮が丸くむける

nozawanahana2-13APR
野沢菜の花が咲いた 強力低気圧が去りました
kadan2013APR
花壇にも一気に花が
sansho2013APR
山椒に新芽
tannpopo2013APR
雨上がりのタンポポ

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2013年04月07日 トラックバック(0) コメント(0)

エピペンを打つタイミングは?

すっかり春になってしまいました。今夜大学の研究室を出ると校内は桜が満開でした。街灯に照らされて夜桜並木を抜けて帰ってきました。やはり桜はいいですね。強力な低気圧が近づいているようで、明日は散ってしまうのでしょうか。咲いて喜び、散るのを惜しむ。なぜ桜にだけこんな感情を持つのでしょうか。

さて、食物アレルギーの事故が相次いだことが関係しているのか、食物のアレルギーでエピペンの処方を希望される方が増えたような感じがします。アナフィラキシーが起きたときに自分でエピネフリンを注射するキットです。エピネフリンあるいはアドレナリンは血管を収縮させて一時的に血圧を上げる薬です。自己注射であることや、めったに打つことはないため、「どういう状況になったら打てばよいのか?」という質問を必ずされます。

食物アレルギーの手引き2011」を参考に自己注射すべきタイミングをまとめてみます。公的でない私見も含まれます。心臓などに持病がある方にはエピネフリンはかなり負担のかかる薬です。使用に際しては必ず主治医や近くの専門医に聞いてください。

asupara2013
アスパラが出始めました(3/31)。今年は早い。

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2013年04月06日 トラックバック(0) コメント(0)